土地・建物の予算の出し方6

2階建てを建てる場合、
1階部分にどんなボリュームでスペースをつくるかによって
家のトータルの大きさが多少なりとも違ってきます。
例えば、1階に子供の寝室があって
2階には夫婦の主寝室とファミクロしかないという場合なら
2階に廊下は必要ないですし、トイレも不要かもしれませんね。
また、子供の部屋が1階にあれば、
そのスペースは長いスパンで考えると多目的に利用できます。
たとえば、子供がまだ小さい内は、客間として利用することができます。
小学生くらいになり自分の部屋が必要となれば、
そこは子供部屋になるでしょう。
子どもが大きくなって独立していけば、そこは夫婦の将来の寝室や、
親を受け入れる二世帯住宅スペースにもなります。
一方、子供部屋も主寝室も全てが2階にあると
トイレも2階にもう1台欲しいし、
各部屋への動線となる廊下も長く必要になるでしょう。
また場合によっては、客間や親のスペースも必要になるかもしれません。
ですので、2階建てを建てる場合、同じ部屋数だとしても、
どこにどの部屋を配置するかで、家のトータルの大きさや余分に必要なスペースが
生まれるということをまずは理解することが重要です。
このことを踏まえて、“家の大きさ”について、見ていきたいと思います。
では、考えていってみましょう!
まずは「客間」から。
このスペースに関しては“必ず必要”というわけではないということです。
但し、この客間があると、寝室が全て2階にある場合に、
子供の遊ぶスペースや片付けするための収納スペースとしても利用可能なので、
リビングが散らかりにくくなります。
ですので、広さとしては最低3帖から、4.5帖くらいは欲しいところです。
もちろん、なくてもいいという方は省いていただいて大丈夫です。
続いて主寝室です。
主寝室の広さを決めるうえで、大切な情報は“何を置くか”です。
ベッドを置くのか、床で布団を敷いて寝るのか?
ベッド以外にも化粧スペースや仕事スペースをつくるのか?
仮に主寝室は“寝るだけ”の部屋にするならば、目安の大きさとしては
・シングルベッド2台の場合 4.5帖〜6帖
・クイーンベッド1台の場合 4.5帖〜6帖
・セミダブル2台の場合 6帖、
・ダブルベッド2台の場合6帖〜7.5帖
さらにゆったりした寝室がご希望であれば、
これらに3帖程度プラスして考えていただければ
十分なスペースになるかと思います。
続いて、子供部屋についてみていきましょう。
子供部屋に関しては子供の人数と年齢によって
考えるという点が一点。
もう一点は、子供が2人なのか、3人以上なのかで分けて考えましょう。
例えば、お子さんが2人であれば、人数分だけの部屋を作りましょう。
あと、広さに関しては
「子供部屋は最低限あれば十分」
というお考えであれば4.5帖でOKです。
「もう少しゆったりした部屋にしてあげたい」
という思いでしたら、6帖が望ましいでしょう。
最近では、リビングで家族で過ごす時間も多い傾向から、子供部屋は4.5帖~5.3帖あたりが多くを占めています。
一方、難しいのが3人以上の子供がいる場合です。
3人いるからと子供部屋を3室作ると、建物のボリュームが大きくなり、コスト増にもなります。
また、そもそもそれだけ大きな土地を購入しなければなりません。
ましていずれ子供たちは家を出ていくので、多くの部屋があると持て余す結果となります。
ゆえ、お子さんが3人以上のご家庭では
部屋の数と広さを、コスト面と折り合いを取りながら
柔軟に考えていただきたいと思っています。
仮に、お子さんが3人で、
一番上と一番下が6歳以上離れている場合
一番上が家から出ていくタイミング(高校卒業した18歳)が
一番下が自分の部屋を欲しがるタイミング(小学6年生または中学入学の12歳)だと思うので、
あえて子供の人数分の3部屋をつくらず、2部屋でまかなうという考え方もあります。
あるいはお子さんが3人で年齢が近く
それぞれが部屋を欲しがりそうだとしたら、
始めから3.5帖くらいの小さな部屋でもいいので、独立した人数分の部屋をつくっておいてあげる
といった感じですね。
イメージとしては、
前者の場合1階に子供部屋をつくりたいとお考えであれば、
コストが割高になるので
4.5帖もしくは6帖の部屋を2つ
2階につくりたいとお考えであれば
1階につくるよりコストへの跳ね返りが少ないので
6帖の部屋を2つ
後者の場合、1階に子供部屋をつくりたいとお考えであれば、
3.75帖もしくは4.5帖の部屋を3つ
2階に子供部屋をつくりたいとお考えであれば
4.5帖もしくは6帖の部屋を3つといった感じでしょうか。
いかがでしたか?
必要な部屋の広さが具体的に把握出来たでしょうか?
では、次回は収納の広さをと言いたいところですが、
収納に関しては
「土地・建物の予算の出し方その3」
をご覧いただくと数字が出ると思うので収納は飛ばし、
次回は2階建てを建てるのに
必要な土地に広さを計算していきたいと思います。