子ども部屋は何帖必要?|将来使わなくなる部屋を無駄にしない間取り
はじめに|子ども部屋は本当に6帖必要でしょうか
注文住宅の間取りを考えるとき、多くのご家庭が悩むのが「子ども部屋の広さ」です。
「子どもにも6帖くらい必要では?」
「狭い部屋ではかわいそうでは?」
「ベッドと机を置くなら広い方がいいのでは?」
こう考える方は少なくありません。
しかし、家づくりで大切なのは、子どもが小さい現在だけを見ることではありません。
子ども部屋を本格的に使う期間は、家を所有する期間全体から考えると限定的です。
子どもが独立した後、その部屋をどう使うのか。
ここまで考えて間取りをつくることが重要です。
大きな子ども部屋を人数分つくれば、当然、建物面積も大きくなります。
建築費だけではなく、将来の冷暖房やメンテナンス、掃除する面積にも影響します。
今回は、注文住宅の子ども部屋について、「何帖必要か」という数字だけではなく、家族の変化まで考えた間取りのつくり方を解説します。
子ども部屋を考える前に知っておきたいこと
家づくりを始める時期は、子どもがまだ小さいご家庭が多くあります。
ところが、小さな子どもが最初から自分の部屋で長時間過ごすとは限りません。
幼児期はリビングで遊ぶ。
小学校低学年ではダイニングで宿題をする。
家族の近くで過ごす。
そして成長するにつれて、少しずつ自分の部屋を使うようになります。
中学生、高校生になると、自分の部屋で勉強したり、趣味を楽しんだりする時間が増えるでしょう。
その後、進学や就職によって実家を離れる可能性があります。
つまり、家を30年、40年、50年と使うことを考えると、子ども部屋が「子ども専用の個室」として必要になる期間は、その一部分です。
だからこそ、子ども部屋だけを現在の希望で大きくするのではなく、家族の変化まで考える必要があります。
「子ども部屋=6帖」という固定観念
昔から住宅では、「個室なら6帖」という考え方がよく使われてきました。
そのため、子ども部屋も6帖程度必要だと思われがちです。
しかし、6帖という数字そのものに絶対的な根拠があるわけではありません。
子ども部屋で何をするのかによって、必要な広さは変わります。
ベッド。
学習机。
収納。
本棚。
テレビ。
趣味の道具。
これらをすべて置くのであれば、ある程度の広さが必要です。
一方、衣類をファミリークローゼットへ収納し、勉強の一部をリビングや共有スペースで行うのであれば、個室をコンパクトにできる可能性があります。
「何帖必要か」ではなく、「何を置き、何をする部屋なのか」から考えることが大切です。
子ども部屋を大きくすると家全体も大きくなる
例えば、子どもが2人いる家庭で、それぞれの個室を必要以上に大きくすれば、その分だけ建物面積が増えます。
わずかな違いに感じても、それがリビング、寝室、収納、廊下など家全体で積み重なると、建物は大きくなります。
建物が大きくなれば、一般的には建築費にも影響します。
さらに、固定資産税や将来の修繕、冷暖房する面積などにも関係してきます。
一方で、予算を変えずに子ども部屋を広げれば、別の場所を削らなければならないことがあります。
リビング収納を小さくする。
ランドリースペースを狭くする。
ファミリークローゼットを削る。
玄関収納を減らす。
毎日家族全員が使う場所を小さくして、将来使わなくなる可能性のある個室を大きくする。
これが本当に家族にとって最適なのかは、慎重に考える必要があります。
子ども部屋は4.5帖でも足りる?
よく聞かれるのが、「4.5帖では狭くありませんか?」という質問です。
結論からいえば、必要な家具や収納方法によって変わります。
4.5帖程度でも、ベッドと机を配置できるケースはあります。
ただし、同じ4.5帖でも部屋の形によって使いやすさは違います。
窓の位置。
ドアの位置。
クローゼットの位置。
ベッドの大きさ。
机の大きさ。
これらによって家具配置が変わります。
例えば、窓を増やし過ぎると、ベッドや机を置ける壁がなくなります。
第11回でもお伝えした通り、部屋の使いやすさは窓の数だけでは決まりません。
コンパクトな子ども部屋ほど、「家具を置ける壁」を残すことが重要です。
5帖と6帖の違いより家具配置を見る
間取り図を見ると、5帖より6帖の方が安心感があります。
しかし、実際の暮らしでは「1帖広いか」よりも、家具を無理なく置けるかの方が重要です。
ベッドを置いたらクローゼットが開かない。
机を置いたらドアとぶつかる。
窓の前に家具を置かなければならない。
コンセントが家具の後ろへ隠れる。
こうなれば、6帖あっても使いやすい部屋とはいえません。
逆に、窓、入口、収納を整理し、家具配置まで考えた5帖の方が使いやすい場合があります。
注文住宅では、部屋の帖数を決める前に、ベッドや机を図面上へ配置して確認することをおすすめします。
収納をどこにつくるかで必要な広さは変わる
子ども部屋の広さを左右する大きなポイントが収納です。
各子ども部屋に大きなクローゼットをつくる方法があります。
一方で、家族の衣類をファミリークローゼットへまとめる方法もあります。
子どもが小さいうちは、家族の衣類をまとめた方が洗濯物を片付けやすいことがあります。
洗う。
干す。
乾かす。
収納する。
この動線を近づければ、第12回で取り上げた家事動線の短縮にもつながります。
ただし、子どもが成長すると、自分の部屋に衣類を置きたいと考える可能性があります。
最初からすべてを一つの方法に固定せず、将来の変化へ対応できる収納計画が重要です。
子ども部屋を最初から分けるべき?
子どもが2人いる場合、それぞれに個室をつくる方法があります。
もう一つが、最初は一つの広い部屋として使い、将来必要になった段階で二部屋へ分ける「可変間取り」です。
子どもが小さい間は、一つの広い空間を遊び場として使えます。
成長して個室が必要になれば、間仕切り壁などで分けます。
この方法には合理性があります。
しかし、将来分けられるように準備しておかなければなりません。
入口を二つ設ける。
窓の位置を考える。
照明を分ける。
コンセントをそれぞれ配置する。
エアコンを設置できるようにする。
収納をどうするか決める。
単に「後から壁をつくればいい」と考えるのではなく、最初から二部屋になることを想定して設計する必要があります。
可変間取りにもデメリットがある
可変間取りは便利ですが、すべての家庭に適しているわけではありません。
子どもの年齢差が大きい場合、早い段階から個室が必要になることがあります。
生活時間が異なる兄弟姉妹では、一つの部屋では落ち着かないこともあります。
また、将来間仕切り工事をするための費用も必要です。
音についても注意が必要です。
簡易的な家具や可動収納で分けるだけでは、完全な個室にはなりません。
プライバシーを重視する時期には、壁でしっかり分ける方が適している場合があります。
家族構成と年齢差まで考えて選択することが大切です。
子ども部屋の窓は多ければよいわけではない
子ども部屋にも明るさは必要です。
しかし、窓を多くし過ぎると家具を置ける壁が減ります。
ベッド。
机。
本棚。
収納家具。
将来家具が増える可能性を考えると、壁は重要です。
また、道路側の大きな窓は外からの視線が気になる場合があります。
西側の大きな窓は夏の西日の影響を受けることがあります。
子ども部屋でも、「明るくするために窓を増やす」のではなく、必要な採光と家具配置を両立させることが重要です。
子ども部屋を快適にするのは広さだけではない
子ども部屋では、温熱環境も重要です。
夏に暑過ぎる。
冬に寒い。
西日が強い。
外の騒音が聞こえる。
隣の部屋の音が伝わる。
こうした問題があれば、6帖以上あっても快適とはいえません。
窓の向きや断熱性能、空調、部屋同士の位置関係まで考える必要があります。
特に勉強や睡眠に使う部屋だからこそ、単純な広さより環境を整えることが重要です。
リビング学習をするなら子ども部屋はどう考える?
子どもが小学生の間は、リビングやダイニングで勉強する家庭もあります。
その場合、子ども部屋へ大きな学習机を置かない選択肢もあります。
ただし、リビング学習をするのであれば、リビング側にも計画が必要です。
教材をどこへ収納するのか。
ランドセルをどこへ置くのか。
タブレットをどこで充電するのか。
プリントをどこで管理するのか。
ダイニングテーブルを毎回片付けるのか。
学習場所だけを用意しても、収納がなければリビングが散らかります。
子ども部屋とリビングを別々に考えず、家全体で子どもの居場所を計画します。
子どもが独立した後まで考える
子ども部屋を考えるうえで、非常に重要なのが独立後です。
子どもが実家を離れれば、個室を毎日使わなくなる可能性があります。
そこで考えておきたいのが、別の用途へ変更できるかです。
夫婦それぞれの寝室。
書斎。
在宅勤務スペース。
趣味部屋。
収納。
来客室。
将来の家族の状況によって使い方を変更できれば、空き部屋になりにくくなります。
子ども部屋を「子どものためだけの部屋」と考えず、将来別の用途へ転用できる空間として考えることが重要です。
平屋では子ども部屋の配置も重要
平屋では、リビング、寝室、子ども部屋が同じ階にあります。
階段がないため家族の距離が近くなります。
一方で、リビングと子ども部屋が近過ぎると、テレビの音や生活音が気になる場合があります。
反対に、子ども部屋を建物の端へ離し過ぎると、廊下が長くなる可能性があります。
収納や水回りを間に配置することで、音やプライバシーを調整する方法があります。
子ども部屋単体ではなく、家全体のゾーニングから考えることが重要です。
二階建てでは将来の空き部屋に注意する
二階建てでは、二階に主寝室と子ども部屋をまとめる間取りが一般的です。
子育て期間中は使いやすい方法です。
しかし、子どもが独立すると二階をほとんど使わなくなる可能性があります。
夫婦が高齢になり、階段の上り下りが負担になれば、一階中心の生活へ変化することも考えられます。
将来的に一階だけでも生活できるか。
子ども部屋を必要以上に大きくしないか。
将来使わなくなる面積を増やし過ぎないことも、長く暮らせる家を考えるうえで重要です。
「子どものために広く」が本当に子どものためなのか
親として、子どもには快適な部屋を与えたいと思うものです。
しかし、子ども部屋を大きくするために住宅ローンの負担が増えるのであれば、別の視点も必要です。
家づくりに使える予算には限りがあります。
建物を大きくすることだけが、家族の豊かさではありません。
毎月の住宅ローンに余裕がある。
家族旅行へ行ける。
教育費を確保できる。
将来の貯蓄ができる。
家を建てた後の生活まで考えることが、本当の意味で家族のための家づくりにつながります。
枚方市で注文住宅を建てるなら土地とのバランスも重要
枚方市で注文住宅を検討するとき、建物だけではなく土地と総予算を一緒に考える必要があります。
子ども部屋を広げるために建物面積を増やせば、その分建築費へ影響する可能性があります。
建物を大きくするために、より広い土地が必要になる場合もあります。
しかし、本当に必要なのは土地や建物の大きさでしょうか。
コンパクトな子ども部屋。
無駄の少ない廊下。
家族で共有できる収納。
中庭や庭へ視線が抜けるリビング。
設計を工夫することで、必要以上に建物を大きくしなくても暮らしやすい家をつくれる可能性があります。
土地探しの段階から、希望する部屋数だけではなく、必要な広さまで整理することが大切です。
SIMPLE NOTEが考える子ども部屋
アルクハウスが取り入れているSIMPLE NOTEでは、部屋を必要以上に大きくすることを前提にしません。
子ども部屋も同じです。
何帖欲しいかではなく、そこで何をするのか。
何を置くのか。
何年間使うのか。
使わなくなった後はどうするのか。
家全体との関係から考えます。
子ども部屋を必要以上に大きくしないことで、建物全体をコンパクトにできれば、家づくりの総予算を調整できる可能性があります。
その分、毎日家族が使うリビングや収納、家事動線へ優先的に予算を配分する考え方もできます。
「小さくすること」が目的ではありません。
必要な場所には必要な広さを確保し、使わない可能性の高い面積をつくらないことが目的です。
子ども部屋で後悔しないための10のチェックポイント
1.子ども部屋で何をするのか
睡眠、勉強、趣味など、用途を整理します。
2.ベッドと机を配置できるか
帖数ではなく実際の家具寸法で確認します。
3.窓を増やし過ぎていないか
家具を置ける壁を残します。
4.収納は個室に必要か
ファミリークローゼットとの役割を考えます。
5.最初から個室が必要か
子どもの年齢に応じて可変間取りも検討します。
6.将来二部屋へ分けられるか
入口、照明、窓、コンセント、空調まで準備します。
7.音への配慮はできているか
リビングや兄弟姉妹の部屋との位置関係を確認します。
8.夏と冬に快適か
窓の方角、断熱、空調を確認します。
9.子どもが独立した後どう使うか
書斎や趣味部屋などへの転用を考えます。
10.その広さのために家全体を大きくしていないか
建築費と住宅ローンまで含めて判断します。
まとめ|子ども部屋は「今」ではなく家族の一生から考える
注文住宅の子ども部屋に、誰にでも当てはまる正解の帖数はありません。
4.5帖だから狭過ぎる。
6帖だから安心。
このように数字だけで判断することはできません。
大切なのは、何を置き、どのように使うかです。
家具を適切に配置できれば、コンパクトな部屋でも使いやすくできます。
反対に、6帖以上あっても、窓やドアの位置が悪ければ家具を置きにくい部屋になります。
そして、もう一つ忘れてはいけないのが時間です。
子どもは成長します。
やがて家を離れる可能性があります。
その後も家は残ります。
だからこそ、子ども部屋だけを大きくするのではなく、家族が長く使うリビング、収納、家事動線とのバランスを考えることが大切です。
必要以上に大きな部屋をつくらない。
家具を置ける壁を残す。
将来分けられるようにする。
別の用途へ変更できるようにする。
家族の成長に合わせて使い方を変えられる家にする。
「子ども部屋は何帖必要ですか?」
私なら、まず「その部屋で何をしたいですか?」と考えます。
注文住宅だからこそ、昔からある「子ども部屋は6帖」という固定観念に間取りを合わせる必要はありません。
今の暮らしだけではなく、10年後、20年後、そして子どもが独立した後まで考える。
限られた面積と予算を、本当に家族の暮らしを豊かにする場所へ使う。
それが、将来使わなくなる部屋を無駄にしない注文住宅の考え方です。

