土地・建物の予算の出し方3

3.土地・建物の予算の出し方3
「収納力」といえば、どんなイメージがあるでしょうか?
「収納の床面積がたくさんあれば、収納力は比例して増える」
と思いがちです。
ですが、その考え方は本当に正しいでしょうか?
収納の床面積はたくさんあるに
越したことはないと考えがちですが、
収納の1坪も、リビングの1坪も同じだけ予算コストが増えていきます。
収納は過剰に作らず、
収納に対する正しい知識を理解した上で、
どこにどれだけの収納をつくるかを考えていただきたいと思います。
そして、収納に関する正しい知識とは、
収納量を左右する要素は
「床面積」ではなく「壁面積」だということです。
つまり、単純に収納の床面積だけで比較するのではなく、
その収納スペースに一体どれだけ「壁」があるのかを
見る力をつけておくことが大切だということですね。
例えば、1帖という収納を
玄関の土間部分につくるとします。
間取り図だけを見ていたら
1帖の収納はとても小さく見えます。
たいして物が置けなさそうにしか見えないのですが、
仮にここの天井高が2.6mあるとしたら、
1枚あたり約3cmの棚板を合計で7枚つけると
ここには横幅が1690mmで、
高さ約30cmの収納棚が8段も作ることができるのです。
これを靴箱だと仮定して、靴がどれくらい置けるのかに計算してみると
合計で50足前後置けるということになります。
おそらく思っていたよりたくさん靴が置けるなと
感じていただけたのではないでしょうか。
というわけで、このような考え方をしていただくとわかるのですが、
「収納力は床面積で判断してはいけません。」
それでは、それぞれの収納の適正な収納力を見てみましょう。
まずは玄関土間収納。
この場所には基本的に靴しか置かないということでしたら、
4人家族なら1帖あれば十分です。
また、コートクロークを兼用したり、趣味のものやキャンプ用品を置くとしたら
2帖もしくは3帖ほど取れば十分です。
続いて、洋服や生活用品などをしまっておく収納です。
洋服に関しては、家族全員分をひとまとめで収納したい派と、
それぞれの寝室に個別で収納しておきたい派の
2パターンにわかれるのではないでしょうか。
家族全員分をひとまとめで収納したい方は
いわゆる「ファミクロ」と呼ばれているウォークインクローゼットを
リビングもしくは脱衣室の近くに
一か所に大きく作りたいでしょうし、
それぞれの寝室に個別で収納しておきたい派の方は、主寝室にはウォークインクローゼットを、
そして子供たちの部屋にそれぞれ壁付けのクローゼットをつくりたい
考えるでしょう。
というわけで、
家族全員分をひとまとめで収納したい方はファミクロとして3帖前後を、
寝室に個別で収納しておきたい派の方は主寝室でウォークインクロークを2帖前後、
子供部屋には壁付け収納として0.75〜1帖を
つくるようにしましょう。
続いて生活用品の収納について考えていきましょう。
いわゆる納戸的な場所に収納するもの類です。
扇風機や除湿機、暖房ヒーターといった季節物の他、
アルバムや未使用なモノなど
小物を含めて片付けておく場所です。
この納戸機能の場所は、専用の納戸としてつくる場合は、
ウォークインにしなくても、壁付け収納を1〜2帖もあれば充分かと思います。
続いてはキッチンパントリーです。
パントリーに関しては、
キッチンカップボードをどの程度のサイズで買うのか、あるいは造作するのかによって、
パントリーとしての必要な大きさがずいぶんと違ってくるかなと思っています。
カップボードや造作収納をつくる場合、
そこ自体に十分にモノを収納することができますし、
キッチンそのものの収納力もそれなりにあるので、
パントリーとしては1帖もあれば充分です。
広めにつくりたいとお考えだとしても
最大2帖で充分かと思います。
カップボード無しでパントリーだけでいく場合は、
3〜4帖ほど設計しておくのが良いかと思います。
いかがでしたか?
おそらく収納力としてはここで考えた収納が用意できれば
十分ではないでしょうか。
✔️必要な床面積って、どれくらいになりましたか?
ここまで3回に渡って
間取りのあらゆる場所の必要広さの考え方を見てきましたが、
これらを全て合わせていただくと
おおよその家の必要な床面積が計算できます。
そして、この他に吹き抜けや書斎部屋・仕事部屋など別の部屋が必要なら
そのスペースを付け加えると
自分たちにとって必要な最低限の広さが
おおよそ見えてきたのでしょうか。
さて、一体どれくらいの広さになりましたか?
50帖ぐらいでしょうか?
それとも60帖ぐらいでしょうか?
仮に50帖だったとしたら
これを2で割った25坪が
あなたにとって必要な広さということになります。
そして、60帖なら30坪ということです。
この大きさのイメージですが
お子さんの数が4人とか二世帯住宅じゃない限りは
4人家族の3KDKであれば、この広さの範囲内でおさまることが多いと言えます。
では「家の広さ」はここまでにして
次回は、その家を建てるために必要な
土地の広さを知るために
ALKU HAUS(アルクハウス)の最大の特徴でもある
「中庭」の有無について考えていきたいと思います。
これがあるかないかによって
土地に広さが大きく違ってくるので、
その理由を知っていただくために
次回もぜひお付き合いください!