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超簡単!!間取りの基本

2023-02-22

間取り作成は、建売住宅にはない注文住宅ならではの魅力であり、醍醐味です。

それだけに、これから家を建てようという方にとっては、楽しみでもあり、悩みでもあるでしょう。

 

間取りは、それぞれ建て主の家族構成や理想とする暮らし方、土地や周辺環境など、さまざまな条件にも影響するため、どのような間取りをカタチにしていけばいいのか誰にも正しい答えはあって無いようなものです。

 

ですが、間取りを作っていくうえで、「これだけはしっておきたい基本」というものがあります。

 

ここでは、誰でも簡単に、そしてどんな間取りを作成する上でも知っておきたい「間取りの基本」についてご紹介していきます。

 

 

 

間取りの基本を知ろう

 

間取りは「配置分け」から考える

建物を建てる建設予定地が見つかれば、あるいは既にお持ちであれば、まずすべきことは間取りの「配置分け」、つまりゾーニングです。

 

ゾーニングとは、敷地の形状や隣家との立地条件などを考慮して、どこを駐車場にして、どに建物を配置するのか、庭をどこに持っていくのかという「配置全体の計画」を立てることです。

そうはいっても何からはじめればいいのか、わからないですよね。

 

そこで、まず第一番目には「駐車場を配置」しましょう。

多くの方は自家用車をお持ちかと思います。

または、市区町村によっては、車を所有してなくても一定の駐車場スペースを計画として確保しなければいけない市区町村もあります。

 

道路の向きや道路付けの状況、電柱などの車の出入りにとって障害物となるもの等を総合的に考慮して、駐車場の位置を決めます。

一般的に乗用車なのか、軽自動車により車のサイズは異なりますが、平均的には、車1台につき「奥行5mで、横幅は2.5m」は確保するようにしましょう。

車を横に2台並列する場合なら「奥行5mで、横幅5m」は最低限でも確保したいものです。

 

 

あと、駐車場の位置を考えるうえで重要なのが、玄関の位置との関係性です。

駐車場と玄関が遠すぎると、買い物帰りで荷物が多い時や、雨降りの時に、不便となります。

可能であれば、「駐車場と玄関は隣接するよう考慮しましょう」

 

駐車場の位置が決まったら、次は「建物の配置」です。

家の中で決めなければいけないものに、「玄関」「階段」「水廻り」など、いろいろとありますが、やはり一番最初に決めるべき箇所は「LDK」でしょう。

 

「LDK」は、家族が朝から夜までの一日の中で一番多くの時間を過ごす場所であり、食事や家族団らんなどを過ごす大切な場所です。

まさに「家の中心的な場所」といえます。

それだけに「LDK」の位置や形状は、他の玄関や水廻り、階段、その他居室よりも優先して決めていきたいものです。

 

LDKの配置を決めるうえでは、「LDKは何を重視するのか」を、明確に決めておきましょう。

「LDK=陽当たりがいい方角」と決めがちです。

 

 

 

しかし、全ての人が同じように考えているかというと、そうでもありません。

 

たとえば、リタイアして一日の多くの時間を自宅で過ごす方の中には、陽当たりが強くなく静かに過ごせる環境を重視している方も多くおられます。

そういった方にとっては、必ずしも朝~夕方までまんべんなく太陽光が入る南向きは少ししんどいという方もおられます。

そのような場合は朝日が入りやすい東向きや、一日を通して淡い陽が入る北向きもオススメでしょう。

 

また、狭小地で隣家との距離が取れない都市型の住宅地の場合に、LDKへの採光を重視したいのであれば、1階にLDKを配置せず、2階に配置する方が、より「LDKに求める採光」は叶えることができるはずです。

 

このように、人ぞれぞれ「LDKに何を求めているのかは異なる」ということです。

つまり、「LDKの配置は、自分たち家族にとって求めているものを実現できる場所に配置すべき」なのです。

 

 

 

上下階でのつながりの考慮する

間取りを作成していくうえで、注意しないといけないのが「上下階でのつながり」です。

 

つまり、1階の部屋の上には、下屋ではない限り、普通はは2階があるわけです。

ということは、2階の音が1階に響く音の問題や、2階の給排水配管の計画などを考えておく必要があるわけです。

 

平屋ではない限り、この上下階の関係をしっかりと間取り作成の上で、注意するようにしましょう。

 

特に注意が必要なのが、上階にキッチンや浴室、洗面台、洗濯機、トイレなどの水回りを配置した場合に「音の問題」は注視するべきです。

水回りの排水音などは一定の対策を取ることは可能ですが、全く音がしないわけではありません。

水回りの真下に寝室があると、音の問題は一生つきまといますので、そのような配置は可能な限り避けるべきです。

 

水回りが上階にある場合は、できるだけ玄関や廊下、下階の水廻り周辺にレイアウトされるよう設計しましょう。

場合によってはパイプスペース(PS)を設計段階で計画しておくこともいいでしょう。

 

 

 

具体的な間取りを考えよう

ゾーニングをおこなうことができたら、次は「具体的な間取りを考えましょう」。

家族で間取りを話し合い、各部屋のおおよその広さなども割り当てていく段階です。

 

まずはイメージを膨らませる

注文住宅は自由な設計が魅力でありますが、同時に家族の人数分だけ家づくりの要望がそれぞれ出来てきます。

どの考え方が正しくて、どれが間違いというのは無いのですが、逆に言うと「正解がないから決まらない」とも言えます。

 

家族でぞれぞれどんな家がいいのか話し合うのもいいですし、工務店など専門家に立ち会ってもらいながら、自分自身の要望をまとめていくのもいいでしょう。

まずは漠然としたイメージを膨らませていき、それが出来たらより具体化していくようにしましょう。

 

 

家づくりノートでイメージの共有を

家族それぞれがどんな家づくりや暮らし方を希望しているのか話し合い、イメージを共有することが重要だとお話してきました。

 

では、イメージの共有は話し合いだけすれば、それでよいのかというとそうではありません。

最近では共働きのご家庭も多く、家族がゆっくりと時間を揃えて家づくりの話し合いをすることも難しいのが実情です。

 

そういった時に役立つのが「家づくりノート」。

「家づくりノート」とは何かというと、「家づくりのことを家族みんなで好きなだけ書き込むノートです。」

 

・どんな暮らしをしたいのか?

・どんなキッチンやトイレなどの住宅設備機器を採用したいのか?

・新居で買う予定の家具のリスト

・住宅ローンの各金融機関別の諸費用や条件の比較表

など、何でもいです。

 

 

建物のことを中心に書きますが、土地のこと、資金計画のこと等、家づくり全般について書くのもいいでしょう。

好きなことをテーマ別にして書き込んでいきましょう。

 

また、最近ではインスタグラム等、SNSを通して気軽に画像を取り入れることができます。

これを利用して希望する内装材や外観、お庭のイメージなど、気になる写真はダウンロードして、共有アプリなどを利用するか、家づくりノートに貼っていくのもいいでしょう。

 

 

家づくりノートで何を書いたらいいのかわからないという方もおられると思います。

そんな時は下記の基本的なことをテーマとして、テーマ別のページを作ってみてはいかがでしょうか。

 

 

1.資金計画について

・自己資金と住宅ローンのそれぞれの予定額

・土地購入費・建物建築費・諸仕様を含めた総額予算

・住宅ローンの金融機関別の諸費用額と条件、メリットデメリット

・住宅ローン借入可能額の概算額の算出(工務店を通して住宅ローンの事前審査を受けることがよりベター)

・諸費用の項目別の概算費用

・建物の建築費用の概算(建築を依頼したい工務店に、土地探し前に概算金額を算出してもらっておきましょう)

 

 

2.建物の建築について

・間取りと各部屋のサイズ

・家族それぞれの新居での趣味や叶えたいこと

・家族それぞれの生活パターン(時間帯別の行動(〇時に出社/〇時に帰社/〇時に夕食など)

・生活スタイルについて(家族の休日での過ごし方/家族の時間と各個人の時間のそれぞれの使い方と時間帯)

・家事の当番について(朝食や夕食/部屋の掃除や風呂掃除/洗濯や物干し/ペット散歩/買い出しなど)

・家づくりで優先したいことベスト3(内観デザイン/外観デザイン/最新の設備機器/自然素材/家事導線/生活導線/断熱性能/耐久性/耐震性/間取り/収納力など)

・外観デザインや内観デザインのイメージ(ナチュラル/かわいい/クールでかっこいい/モダン/和風など)

・内装材や外装材、住宅設備機器の具体的な希望(オール電化/太陽光発電/無垢フローリング/漆喰塗り/ガルバリウム鋼板外壁/大開口サッシなど)

・家具リスト(これから購入予定の家具のサイズ/いま使用中の家具のサイズ)

 

建物に関しては、イメージを共有しやすいようSNSを通して、可能な限り写真をダウンロードして貼っておきましょう。

言葉で説明する以上に写真をつかうことで、家族の自分の希望するイメージを共有しやすいです。

 

また、家づくりが具体的に始まると、この写真はそのまま工務店の担当者と共有することで、打合せをスムーズに進めることができます。

 

 

3.土地について

・土地の広さの範囲(〇坪~〇坪の敷地広さが欲しい)

・最寄駅の範囲と、最寄駅までの距離(〇〇沿線は必須/〇駅~〇駅の間で徒歩15分以内/最寄駅から自転車10分まで可能など)

・隣地・道路条件(道路との高低差は1mくらいまではOK/坂道沿いは不可/敷地裏手が崖はNG/角地限定/旗竿地OKなど)

・法令条件(低層住居専用地域に限定/準防火・防火地域は不可など)

・土地の購入予算(但し、土地の予算は  “最初に決めたら駄目!!”   土地の予算決めは最後にすることが“注文住宅を失敗しないコツ”   理由は森田建設ブログにて)

 

上記の項目を家づくりノートに書いておけば、最低限のことは家族で共有できるはず。

さらに家族のこだわりポイントを追加でどんどん書いていくようにしましょう!!

 

 

特殊な土地条件での間取り

一般的な長方形の土地や、形が整った整形地などでの間取りはよく目にすると思います。

但し、予算が限られる方にとってはこのような条件が整った土地は土地購入費が高くつき、結果として予算オーバーとなり注文住宅を実現できないということにもなりかねません。

 

そのような時に検討したいのが「旗竿地」や「狭小地」です。

この「旗竿地」や「狭小地」は特殊な土地条件のため一般的に土地予算を抑えることができます。

ただし、建物の間取り設計では、一般的な土地に比べてちょっとした工夫やアイデアも必要です。

 

ここではそんな「旗竿地」や「狭小地」での間取り作成のポイントをご紹介します。

 

 

旗竿地の間取り作成ポイント

まずは「旗竿地」についてです。

 

「旗竿地」とは何かというと、「旗の形状をした土地」のことです。

 

つまり、「竿の部分」にあたる細長い部分の路地部分だけが道路に面していて、ここが通路になっています。

そして通路の路地部分の先に「旗の部分」にあたる「建物を建てる土地」があるということです。

 

「竿の部分」が、建物と道路とをつなぐ通路部分になっていて、住人が建物内へのアプローチとして利用したり、車庫として利用します。

そして、「旗の部分」が、整形された部分で、ここに建物を建築するのが一般的です。

 

 

このような「旗竿地」は一般的に、都市部では四方が隣家で囲まれていることが多く、隣家からの視線を遮ったり、陽当たりを確保する間取り上の工夫が必要になります。

 

たとえば、2階建ての間取りを作る場合に、1階だと暗くなりがちなので、2階にLDKを配置することで、陽当たりを確保しやすくなります。

2階配置のLDKであれば、勾配天井にして広がりのある空間にすることができ、また天窓などを取り入れて採光をより確保しやすくなります。

 

逆に1階には、水廻りや、寝室など比較的に陽当たりを気にしなくていい間取りを配置するようにしましょう。

 

 

狭小地の間取り作成ポイント

次に「狭小地」についてです。

 

「狭小地」も旗竿地と同様に、三方向が隣家でせまっており、また道路も狭い狭小地も多いでしょう。

旗竿地と同じく、プライバシー性と採光の確保が間取り作成の上では一番に重要になってきます。

また、敷地が狭いのが「狭小地」なので、広く快適に過ごしやすいよう感じられる空間作りも同時に必要となります。

 

狭小地でも、旗竿地と同じく2階にLDKを配置することで、採光性を高くすることができます。

また2階に大開口サッシを設置するので、防犯性も1階LDKに比べると高くなります。

但し隣家からの目線が気になる場所に大開口サッシを設ける場合は、型ガラスの採用や、カーテンなどインテリアでの配慮は必要となります。

 

天窓も同じく取り入れることで陽当たりは、ぐんっと上がります。

太陽光を取り入れることは、隣家の建物に太陽光を遮られることもなく、建物内の奥まで光を取り込むこともできるため、狭小地でも天窓は有効といえます。

 

 

間取り係数で間取りサイズを想定する

間取りを考えるうえで、どの程度のサイズが適正サイズなのかを考えることは非常に難しい作業となります。

家族構成や生活スタイル、収納の充実さや、ゆとりのある空間作りなのかコンパクトな家づくりなのか等それぞれの事情が異なるためです。

 

但し、間取りなどから必要な床面積の概算を出すことは可能です。

そこで利用するのが「間取り係数」です。

 

 

「間取り係数」とは、

「間取り係数」とは、建築家・吉田桂二さんが考案された必要な床面積や、間取りのゆとりさを検討する先に利用する数値です。

 

では、具体的に「間取り係数」についてですが、

まずは住まい全体を

・リビングやダイニング、寝室、子供部屋、和室、書斎や趣味スペースなどの「基本部屋」

・玄関やホール廊下、階段、キッチン、トイレ、洗面所、脱衣所、浴室、収納などの「ゆとりスペース」

の2つに分けます。

 

通常、「基本部屋」の床面積の合計を「1.0」とすると、「ゆとりスペース」の床面積の合計は「0.5~1.0」に納まります。

 

この「基本部屋の合計数値」と「ゆとりスペースの合計数値」を合わせると総合計が1.5~2.0となりますが、この数値のことを「間取り係数」

と呼びます。

 

間取り係数が大きいほど「住まいのゆとりが大きくなる」ということです。

1.5では、収納や吹き抜けなどは十分には採れず、2.0ではかなり余裕があると言えます。

 

 

間取り係数を利用して家の広さを考える

この間取り係数を利用して、具体的な家の広さを考えてみましょう。

 

延床面積を30坪で想定した場合、間取り係数を1.5(基本部屋1.0/ゆとりスペース0.5)にすると、

・「基本部屋」が20坪(=40帖)

・「ゆとりスペース」が10坪(=20帖)

となります。

 

「基本部屋」とは、リビングやダイニング、寝室、子供部屋、和室、書斎や趣味スペースのことでした。

リビングとダイニング:16帖

主寝室:8帖

子供部屋:6帖×2室=12帖

和室スペース:4帖

 

これで合計で40帖となります。

これだけを見ると「基本部屋」は、かなりゆとりがありますね。

 

 

ではもう一方の「ゆとりスペース」の方も検討してみましょう。

「ゆとりスペース」とは、玄関やホール廊下、階段、キッチン、トイレ、洗面所、脱衣所、浴室、収納、納戸などのことでした。

玄関:1.5帖

玄関収納0.5帖

1階ホール:2帖

階段:4帖(1階2帖/2階2帖)

キッチン:5帖

洗面所・脱衣所:2帖

浴室:2帖

主寝室の収納:1.5帖

子供部屋の収納:0.75帖×2箇所=1.5帖

 

これで合計で20帖となります。

これだけを見ると「ゆとりスペース」は、基本的な面積はそれぞれ確保できているものの、余裕があるとは言えません。

 

ファミリークローゼットなどの納戸や吹き抜け、洗面脱衣所を洗面所と脱衣所に分けたり、サニタリー収納スペースやキッチンパントリー収納、玄関土間スペースを充実させようと思うと、間取りを再検討する必要があります。

 

 

たとえば土地の広さが決まっていて、建ぺい率や容積率を考慮すると「延床面積は30坪までしか建てられない」という状況だった場合、

上記の間取り係数1.5の場合では「ゆとりスペース」に余裕がないので「ゆとりスペース」をより広くしたいと思う場合は、間取り係数を1.8くらいに設定してみましょう。

 

つまり間取り係数を1.8にすることで、建物全体に占める「ゆとりスペース」の割合を大きくするということです。

ということは、「基本部屋」の各部屋の広さを小さくする、または部屋数を減らす必要があるということがわかりますね。