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建物を建てる土地の「超・基本ルール」を知ろう!!

2022-11-27

建物を建てるための土地には、それぞれ知っておきたい「超・基本ルール」があります。

土地探しをする段階から知っておきたい基本の法的規制を知っておくことは、土地探しを無駄なく進めていくうえで必須の知識です。

ぜひ、この「超・基本ルール」は、把握したうえで、土地探しを進めていきましょう。

 

建てられる面積を知ろう

面積には2種類ある

すべての土地が、敷地いっぱいに建物を建てられるわけではありません。

敷地がどの用途地域にあるかにより、建てられる建物の大きさ・面積が異なります。

 

ここでは、その「面積」について知っておきたい2種類の「面積」をご紹介します。

それが「建築面積」と「延床面積」です。

 

建築面積について

建築面積とは、家を建てるのに敷地をどの程度利用できるのかということです。

一般的な2階建ての木造住宅であれば、「1階床面積=建築面積」と思っておけば、おおよそ合ってきます。

 

正確には、建物の真上から光を当てて、影になる部分の面積(水平投影面積)が、建築面積となります。

 

さらに正確に言うと、軒やひさし、バルコニーなど、柱や壁のない部分、つまり持ち出して跳ねだしている部分は、出幅1000㎜までは建築面積の算出計算から除いても良いとなっています。

 

延床面積について

延床面積とは、各階の床面積の合計の面積のことです。

 

正確には、屋内で利用される空間の床面積と言えます。

ですので、床を張っていない吹抜けは、床面積には計算されません。

 

但し、建物の見積もりなどをする場合には、吹き抜けは床面積や延床面積には含まれませんが、見積もり算出の面積計算には含まれるのが一般的です。

 

建ぺい率と容積率

敷地に対して、どの程度の「割合」まで建物を建てることができるのかを示すのが、「建ぺい率」と「容積率」です。

 

建ぺい率とは

敷地全体の面積に対して建築面積が占める割合のことを、建ぺい率といいます。

建ぺい率が低いほど、建物を建てられる面積が小さくなります。

 

つまり、同じ30坪の土地があっても、

 

①建ぺい率40%の土地の場合

30坪×建ぺい率40%=建築面積が12坪までの建物を建てることが可能。

 

②建ぺい率60%の土地の場合

30坪×建ぺい率60%=建築面積が18坪までの建物を建てることが可能。

 

つまり、同じ土地の面積であっても、建てられる建物の大きさが全く異なるのです。

 

また、この建ぺい率の特徴として、「角地」にある土地は、建ぺい率が10%割合が増えるなどのメリットがあります。

 

容積率とは

敷地全体の面積に対して各階の床面積の合計、つまり延床面積が占める割合のことを、容積率といいます。

容積率が大きいほど、大きな建物を建てることができるということになります。

 

たとえば、敷地面積30坪の土地があった場合、

 

①容積率100%の土地の場合

30坪×容積率100%=延床面積30坪までの建物を建てることが可能。

 

②容積率160%の土地の場合

30坪×建ぺい率160%=建築面積が48坪までの建物を建てることが可能。

 

このように建ぺい率の時と同様に、容積率においても、容積率の大きさにより、建てられる建物の大きさが全く異なります。

 

理想の「建物ボリューム」を把握しよう

建ぺい率と容積率を把握することはとても重要です。

 

たとえば、敷地が30坪の場合、建ぺい率40%の土地の場合は建築面積が12坪、一方建ぺい率60%の土地の場合は建築面積が18坪まで建てることができます。

つまり、同じ土地面積でも、建築面積に6坪(=12帖)も差が出るのです。

 

同じ土地の大きさでも建ぺい率だけでこれだけの建物のサイズに影響ができることを考えると、土地探しの時から「土地の大きさ」だけを見るのではなく、「建ぺい率と容積率」も十分に注意してみていく必要があるということです。

 

自分自身がおおよそ何坪くらいの建物を建てたいのかを理解していれば、「何坪の大きさ、建ぺい率が何%、容積率が何%」の土地をを探さないといけないのかがわかりますね。

 

つまり、土地を探す段階でおおよそ自分たちが建てたいと思う「建物のボリューム」を把握していないと、無駄足ばかりの意味のない土地探しになってしまうということです。

 

自分たちが建てたい建物のボリュームを把握したうえで、はじめて土地探しをすべきです。

 

床面積を増やす裏ワザ

建物を建てることができる範囲は、土地の建ぺい率と容積率に応じて異なります。

建ぺい率と容積率の法的規制がある以上、その範囲内でしか建物を建てられないことは変えられないのですが、裏ワザもあるんです。

 

それが地下室や、天井裏スペースの有効活用です。

 

たとえば、敷地面積80㎡の土地の場合、建ぺい率50%、容積率100%の場合、

建築面積の上限=80㎡×50%=40㎡

延床面積の上限=80㎡×100%=80㎡

となります。

 

しかし、天井裏スペースを使うことで、延床面積の緩和策を使うことができます。

天井裏スペースの広さは、直下階の50%以下、かつ天井の高さが最高1.4m以下で、物置などの利用用途であれば、延床面積に参入しなくてもOK。

 

逆に、これ以上の面積にしたり、天井高さを1.4m以上にすると、2階建てが3階建て扱いになります。

こうなると、構造計算や、防火規制など、法的規制が2階建て以上に厳しくなり、またコストアップにもつながるため、注意が必要です。

 

延床面積の緩和策もうまく利用して、建ぺい率と容積率の問題もクリアしましょう。

 

斜線制限で高さも要注意

建物の高さは無制限に高く建てられるのかということ、そうではありません。

 

やはり「高さ」に関しても、法的規制があります。

住宅でしっておくべき「高さ」についての法的規制は「道路斜線制限」と「北側斜線制限」です。

 

道路斜線制限とは

道路斜線制限とは、自分の土地が面している道路の幅員や、建物から道路までの距離に応じて、建物を建ててよい高さの範囲が定められるという規制です。

 

道路が広ければ広いほど、建物の高さ制限は受けにくく、道路の幅員が狭いと建物の高さに関する制限はより受けるということになります。

 

また、建物が道路から距離が離れている場合も、高さに関する制限が受けにくく、建物が道路と距離が近いと制限を受けやすいのだな、と覚えておいていただくと、良いかと思います。

 

さらに道路の反対側が公園や空地などの場合は、緩和策もあります。

 

北側斜線制限

北側斜線制限は、道路斜線制限とは違い、どのエリアでも適用される制限ではありません。

 

北側斜線制限が適用されるのは、第一種低層住居専用地域と第二種低層住居専用地域です。

この二つの地域は、他の住居系地域や商業地域・工業地域とは異なり、良好な住宅の環境が求められる地域です。

そのため、建物の高さに関する制限も、他の地域に比べてより厳しいと言えます。

 

北側斜線制限は、自分の建物の北側面はあまり建物を高く建てられないようにと制限される規制です。

なぜなら、建物の北面、つまり隣家の南面に面する部分に配慮した制限と言えます。

 

自分の家の建物の北面をあまり高く建てないことで、隣家の南面には一定の採光を確保してあげることができますよね。

隣家の採光に一定の配慮を規制として制限したのが、北側斜線制限なのです。

 

建物を敷地の北側へ寄せて建てると、この北側斜線制限に抵触して、建物の間取りや屋根形状、室内の部屋高などに影響が出ます。

かといって、北側斜線を避けるために、南側へ建物を寄せて配置しすぎると、南面からの採光がとりにくくなります。

このあたりの配置計画は、どんな建物や外構計画をご希望されるのかで決める必要もあるため、工務店と建築確認申請前から十分に話し合いをしておきましょう。

 

結論としては、第一種低層住居専用地域と第二種低層住居専用地域で建物の建築を予定している場合は、「配置計画がとても重要」になることは覚えておきましょう。

 

日影と防火の規制もある

「日影規制」に注意!

建物が建つことで、周辺に建物の影をつくり、場合によっては著しく日照を阻害してしまうことがあります。

そのような事態を避けるために「日影規制」という規制があります。

 

たとえば、第一種低層住居専用地地域と第二種低層住居専用地域では、一戸建ての住宅であっても3階建て以上や軒の高さが7mを超える建物が日影規制の対象となります。(他の地域では10mを超える建物が対象)

 

この日影規制にかかると申請などで複雑な面があるため、多くの工務店ではこの日影規制にひっかからないよう設計するのが一般的です。

 

予算計画にも影響を与える防火規制

火事が起きると、隣家等の近隣へ火災が移ると大惨事になります。

 

そのようなことが起きないよう、建物で火災が起きても、その火災が他の建物に及ばないよう、地域全体で火災に対する規制を設けようというのが、「防火規制」です。

防火規制でもその規制の強さが地域により異なりますが、特に建物が密集する都市部ほど防火規制が厳しいと言えます。

 

都市計画では、「防火地域」と「準防火地域」が定められています。

商業施設が建ち並ぶエリア等の都市部では「防火地域」が定められていることが多く、都市と郊外の中間的な場所では「準防火地域」として定められていることが多いです。

 

準防火地域では、建物ができるだけ燃えにくい構造にする必要があり、窓や玄関などのサッシも防火サッシという、一般的なサッシより高額な商品を入れなければなりません。

 

また、外壁や軒下なども防火性能のある材料や工法で仕上げる必要があります。

 

特に外壁材などに自然な無垢材などを利用したいという場合は、準防火地域の場合、商品選定に制限が加わったり、価格が高騰しがちですので、土地選びの段階から「準防火地域なのか、そうではないのか(=法22条地域等)」は、土地案内時に不動産業者等に十分に確認するなどしておきましょう。

 

建物を建てる土地の「超・基本ルール」は必ず知っておく

土地を探す時は、一般的に不動産屋さんが土地情報を紹介してくれて案内をして説明してくれます。

不動産屋さんも土地についての建築に関する法規制はもちろん知っています。

 

また、建物を建ててもらう工務店も、当然に建築のプロですので、斜線制限や防火規制など法規制は理解しています。

 

しかし、不動産屋さんや工務店だけに完全に頼らず、できる限り自分自身でも土地に関する法的規制の最低限の基本的なことぐらいは勉強しておくようにしましょう。

自分自身で把握できた上で、土地探しをすることができると、より納得いく土地探しを実現することができます。

 

建物を建てる土地の「超・基本ルール」は必ず知っておきましょう。

 

 

 

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