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注文住宅のコンセントは「多いほど安心」ではない

2026-10-22

枚方市で注文住宅の間取りが固まってくると、次に出てくるのが「電気配線図」です。

図面には、コンセントやスイッチを示す小さな記号が並んでいます。ところが、ここで多くの方がこう感じます。

「正直、どこに何個あれば正解なのか分からない」

そのため、「とりあえず多めに付けておけば安心」と考えてしまいがちです。しかし、コンセントは多ければ多いほど後悔しない設備ではありません。家具の裏に隠れて使えないコンセントもあれば、1つも足りなくて延長コードだらけになる場所もあります。

今回は、枚方市で注文住宅を検討している方に向けて、コンセントの「数」ではなく「使う場面」から逆算する考え方と、位置・高さの目安、そして見落としやすい専用回路や将来への備えまで、一つずつ整理します。

この記事の結論(先に読みたい方へ)

  • コンセントの後悔は、「数が少ない」よりも「使いたい場所にない」「家具で隠れる」ことで起こる
  • 先に決めるのは数ではなく、家具の配置と、そこで使う家電・動作
  • 後付けは壁の工事を伴うため、新築時に入れるより割高になりやすい
  • 本当に増やしたいのは「コンセント」ではなく「あとから足せる余地」(専用回路の余裕・空配管など)
  • 電気配線の確認は、壁を閉じる前が変更できる最後のタイミング

なぜ「コンセントの後悔」はこんなに多いのか

後悔項目の上位に入る設備

アットホームが2024年4月に行った注文住宅のアンケート(回答268名・複数回答)では、注文住宅で後悔したことが「ある」と答えた人が9割以上にのぼりました。その中で、間取り・設備・収納に続く4番目に挙がったのが「コンセントの位置・数」です。窓や冷暖房効率、ベランダよりも上位に入っています。

コンセントは小さな設備ですが、毎日・何度も使う場所だからこそ、不便がそのままストレスになります。

後悔は大きく4つのパターンに分かれる

1. 足りない 掃除機、スマホの充電、ドライヤー、ホットプレートなど、家電は暮らしながら増えていきます。数が足りず、タコ足配線や延長コードが常態化します。

2. 届かない・遠い 数はあっても、使いたい場所と離れている状態です。ソファの横、ベッドの枕元、ダイニングテーブルの近くなどで起こりがちです。

3. 家具で隠れる 間取り図の上では便利そうな位置でも、実際に家具を置くと、背面に隠れてしまうケースです。いちばん「もったいない」後悔です。

4. 多すぎて使われない 「念のため」で増やした結果、使われないコンセントが壁に並び、見た目も掃除も気になる、というパターンです。

後付けが大変な理由

コンセントを後から増やす場合、壁の内側に配線を通す必要があります。壁の解体と復旧を伴うこともあり、費用が数万円〜十数万円かかるケースがあるとされています。一方、新築の工事中に追加するなら、1か所あたりの費用はずっと小さく済むのが一般的です。

さらに、断熱材が入っている壁や、構造上動かせない壁では、そもそも希望の位置に配線できないこともあります。

「あとから何とかなる」と考えにくい設備だからこそ、図面の段階で丁寧に決める価値があります。

「数を増やす」より「使う場面から逆算する」

SIMPLE NOTEの考え方

私たちアルクハウスが取り入れているSIMPLE NOTE(シンプルノート)は、「足し算で増やす」のではなく、「必要なものを見極めて、無駄を削る」家づくりです。

窓、廊下、ベランダ、家事室。これまでのブログでも、「あるのが普通だから」ではなく「暮らしに本当に必要か」から考えることをお伝えしてきました。

コンセントも同じです。数を競うのではなく、使う場面に、使いやすい高さで、必要な分だけ。これが、見た目もコストも暮らしやすさも整うコンセント計画の基本です。

決め方の3ステップ

ステップ1:持っている家電・これから使う家電を書き出す

テレビ、冷蔵庫、電子レンジ、炊飯器、ケトル、ロボット掃除機、空気清浄機、加湿器、スマホ・タブレットの充電、パソコン、ドライヤー、季節家電(扇風機・ヒーター)など。「今」だけでなく、5〜10年後に増えそうなものも考えます。

ステップ2:家具配置を先に決める

ソファ、ダイニングテーブル、テレビボード、ベッド、デスク、収納棚の位置と大きさを、間取り図に書き込みます。コンセントは家具の後ろではなく、家具の横や上に置くのが基本です。

ステップ3:その場所での「動作」を想像する

「立って使うのか、座って使うのか」「毎日使うのか、たまに使うのか」「コードは出しっぱなしか、抜き差しするのか」を考えます。頻繁に抜き差しするものは、手が届きやすい高さに。出しっぱなしのものは、目立たない位置に。

【早見表】場所別・高さと位置の目安

以下は一般的な目安です。実際の高さは、家具・設備の寸法や使う人の身長によって調整してください。

場所・用途

位置・高さの目安

ポイント

一般的な壁面

床から25〜30cm前後

掃除機・季節家電用。家具の背面にならないか確認

キッチンの作業台まわり

天板から15〜20cm上

炊飯器・ケトル・ミキサーなど。複数口+専用回路の検討を

冷蔵庫

冷蔵庫上部付近

プラグが見えにくく、手も届きやすい位置に

洗面台

床から110cm前後(天板より上)

ドライヤー・電動歯ブラシ。水はねに注意

洗濯機・乾燥機

水栓から離した上側

アース付き。乾燥機は専用回路が必要な場合あり

ダイニング・デスクの壁側

机の天板より上

パソコン・スマホ充電・ホットプレート用

ベッドサイド

床から60〜70cm前後

ベッドの高さに合わせる。左右どちらも使うか確認

テレビまわり

テレビ・レコーダーの裏または横

壁掛けなら、テレビの裏に配線をまとめる

屋外

防雨型を使用

高圧洗浄機・庭の電動工具・イルミネーション用

場所別のポイント

玄関・土間

意外と使う場面があります。電動アシスト自転車のバッテリー充電、ベビーカーや靴の乾燥、掃除機を置く場合の充電などです。玄関収納の近くに1か所あると便利です。使わない人には不要なので、暮らし方に合わせて判断します。

キッチン

コンセントの数でいちばん差が出る場所です。炊飯器、電子レンジ、電気ケトル、トースター、コーヒーメーカーなど、同時に使う家電が多くなります。

  • カウンター上に家電を置く位置を決めてから、コンセント位置を決める
  • 電子レンジ・食洗機・IH・冷蔵庫など消費電力の大きいものは、専用回路が必要になることがある
  • カップボード(背面収納)の内側にもコンセントがあると、家電を隠して収納できる

洗面・脱衣室

ドライヤー、洗濯機、乾燥機、電動歯ブラシ、ヘアアイロンなど、電気を使う場面が集中します。

水まわりなので、安全面からアース付きや防水カバー付きの仕様が基本です。洗面と脱衣を分けるか、一体にするかでコンセントの置き方も変わります。詳しくは「「洗面所と脱衣室」は分けるべき?」もあわせてご覧ください。

リビング・ダイニング

ソファの横(スマホ・パソコン充電)、ダイニングテーブル近く(ホットプレート・ノートパソコン)、テレビまわり(テレビ・レコーダー・ゲーム機)、掃除機・ロボット掃除機の充電場所が候補です。

ここで大切なのは、ソファや棚の背面になる位置に置かないこと。家具配置を先に決めておくと、この失敗を避けられます。

寝室・子ども部屋

寝室は、ベッドの両サイドに1か所ずつあると使いやすくなります。寝室の広さと家具の考え方は「寝室は広いほど快適は本当?」でも触れています。

子ども部屋は、今の使い方と将来の使い方が変わります。小さいうちは遊ぶ場所、学年が上がると勉強机、パソコン、充電、加湿器。机を置きそうな壁面に、あらかじめコンセントを確保しておくと安心です。子ども部屋の広さの考え方は「子ども部屋は最初から広く必要?」をご覧ください。

階段・廊下・2階ホール

掃除機をかけるときに、コードを差し替えずに済むかどうかは、毎日の掃除のラクさに直結します。各階の廊下や階段まわりに、掃除機用として1か所ずつ入れておくのがおすすめです。

トイレ

温水洗浄便座用のコンセントは必須です。あわせて、掃除用の電動ブラシや、ハンディ掃除機の充電をトイレの近くで行うなら、検討しておきたい場所です。

屋外・駐車場

高圧洗浄機、洗車、庭の電動工具、季節のイルミネーションなど、外でも電気を使う場面は意外とあります。防雨型のコンセントを1〜2か所入れておくと便利です。将来EV・PHEVの充電を使う可能性がある場合は、後述の「空配管」も検討しておきます。

専用回路と「あとから足せる余地」を考える

専用回路が必要な家電

エアコン、IHクッキングヒーター、食洗機、電子レンジ、乾燥機、冷蔵庫などは、消費電力が大きいため、専用回路(他の機器と共有しない配線)が必要または推奨されることがあります。ここを間違えると、ブレーカーが落ちやすい家になります。

将来のための「空配管」と分電盤の余裕

EV充電、太陽光発電、蓄電池などを将来入れる可能性があるなら、今すぐ設備を入れなくても、配管だけ先に通しておく(空配管)、分電盤に空きを残しておくといった準備ができます。

コンセントを何十か所も増やすより、こうした「あとから足せる余地」を残す方が、コストを抑えつつ将来に備えられます。これはまさに、SIMPLE NOTEの「必要なところに、必要な分だけ」という考え方に合う備え方です。

省エネ・性能面の考え方や補助金の見方については「枚方市の注文住宅、2026年は「補助金ありき」で決めない」もあわせて参考にしてください。

スイッチ・照明・情報配線も同時に考える

コンセントとセットで見直しておきたいのが、次の3つです。

  • スイッチの位置:玄関・廊下・階段は、上下どちらからでも消せる配線(3路スイッチ)が便利。人感センサーも選択肢
  • 照明:窓の考え方と合わせて決めると、明るさと配線のムダが減る(「窓は多いほど明るい」は本当?)
  • 情報配線:Wi-Fiルーターの置き場所、LAN配線、在宅ワーク用のスペースなど。後から壁に這わせると見た目が崩れやすい

枚方市で考えたい、暮らしに合わせた視点

  • コンパクトな敷地が多い:長尾・藤阪・津田エリアなどでは、25〜30坪前後のコンパクトな敷地を選ぶケースもあります。部屋が広くない分、家具配置が固定されやすく、コンセント位置の設計がより重要になります
  • 夏の暑さと冬の底冷え:エアコンの設置位置と専用回路、サーキュレーターや加湿器の置き場所までセットで考えると、季節を通して快適です
  • 在宅ワーク・共働き:デスク、プリンター、Wi-Fi、充電ステーションを一か所にまとめる「家事・ワークの置き場」を作る場合、コンセントの位置も合わせて設計します。関連記事:「家事室」は本当に必要?

打ち合わせ前にできるチェックリスト

ご家族で、次のことを書き出しておくと、打ち合わせがスムーズになります。

  • 今使っている家電を、部屋ごとにリストアップした
  • 5〜10年後に増えそうな家電・設備(EV、乾燥機、空気清浄機など)を考えた
  • 家具の配置を、間取り図に書き込んだ
  • 家具の背面になる壁を確認した
  • 「毎日使う場所」と「たまに使う場所」を分けた
  • 現在の住まいで、延長コードを使っている場所をメモした
  • 現在の住まいで、「ここにあれば」と思う場所を写真に撮った

現在のお住まいの不満を書き出すのは、いちばん確実な方法です。新築で同じ失敗を繰り返さないための材料になります。

変更できる最後のタイミング

コンセントやスイッチの位置は、一般に次のような流れで確定していきます。

  1. 間取りが固まる
  2. 家具配置を確認する
  3. 電気配線図(電気設備図)で、コンセント・スイッチ・照明の位置を確認する
  4. 着工後、壁の中に配線が入る
  5. 壁を閉じる(ここから変更は大がかりになる)

壁を閉じる前が、費用を抑えて変更できる最後のタイミングです。電気配線図が出てきたら、家具配置の図面と並べて、ご家族で確認することをおすすめします。

よくある質問

Q1. コンセントは1部屋に何個あればいいですか?

部屋の広さだけで決められません。同じ6帖でも、寝室なら「ベッドの両側+掃除機用」で足りる一方、書斎や子ども部屋なら机まわりに複数必要です。家具配置と使う家電から逆算して決めるのが確実です。

Q2. 床にコンセントを付けるのはアリですか?

ダイニングテーブルの下や、アイランドキッチンまわりなど、壁面が使えない場所では選択肢になります。ただし、ホコリが溜まりやすく、掃除の手間が増える、使わないときの見た目などの注意点があります。基本は壁面にして、どうしても必要な場所だけにとどめるのが無難です。

Q3. USB付きコンセントは全部につけるべきですか?

充電する場所(ソファ横・ベッドサイド・ダイニングなど)に限定して使う方が多いです。充電規格は将来変わる可能性もあるため、全部につけるより、一部だけにして、あとは通常のコンセントにしておく方が柔軟です。

Q4. 屋外コンセントは必要ですか?

洗車や高圧洗浄機、庭の道具、イルミネーションを使うなら便利です。将来EV・PHEVを使う可能性があるなら、配管を先に入れておく備えも検討してください。

Q5. コンセントを増やすと、費用はいくらくらい上がりますか?

1か所あたりの追加費用は、仕様や位置によって変わります。まずはほしい場所を洗い出し、優先順位をつけたうえで、見積もりで確認することをおすすめします。

まとめ|コンセントは「数」ではなく「暮らしの設計図」

コンセントの計画で後悔しないためのポイントを、改めて整理します。

  • 後悔の原因は、数より「使いたい場所にない・家具で隠れる」こと
  • 家具配置を先に決めてから、その横・上にコンセントを置く
  • 数を増やすより、「あとから足せる準備」(専用回路・空配管)に投資する
  • 電気配線図は、壁を閉じる前に家具配置と並べて確認する
  • 現在の住まいの不満が、いちばん確かな設計のヒントになる

コンセントは、完成してしまえばほとんど意識されない小さな設備です。だからこそ、使いやすさがそのまま毎日の快適さになります。

枚方市で注文住宅をご検討中の方は、間取りや収納と一緒に、電気計画まで暮らし方から逆算して考えてみてください。

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