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日本の住宅寿命が短い訳

2020-09-15

“昔の家”と“今の家”の違いを知ることから、家づくりが始まる

“昔の家”と“今の家”は、何が違う?

“昔の家“に比べて、”今の家“はある意味、とても良いグレードの建物になっています。

床や壁、天井・屋根には断熱材が入り、ペアガラスの二重窓も当たり前。

24時間換気なども必須となり、高気密高断熱の家が日々進化しています。

建築金物や耐力壁の設計基準も2000年以降、厳しくなり、また検査なども厳しくなり、保険制度も充実して来ました。

家を建てることは誰もが安心して叶えられるものになったと言えます。

 

ところが、“昔の家”に比べて“今の家”の方が、材料の質が低下したものがあります。

それが、土台や柱など家づくりで一番重要な「構造材」です。

 

“今の家”の構造材は、日本の木を“使わない“のが主流

日本にはたくさんのヒノキやスギがあるのは、多くの方が知っていることだと思います。

でも、日本の“今の家”の構造材には、日本の木はほとんど使われていません。

 

日本の木造住宅の多くでは、ノルウェー産やオーストラリア産、ロシア産など、海外から輸入された木を、土台や柱などの「構造材」に使っています。

そして、その多くが“ホワイトウッド”という木です。

 

では、家づくりで一番重要な構造躯体に使用されるホワイトウッドという木は、一体どういう木なのでしょうか!?

これを知ることは、これから家を建てる上で、非常に重要です。

 

日本の木造住宅で使われている木材の真実

説明しようとしないハウスメーカー・住宅会社

ホームセンターで出回っているホワイトウッドという木を知っていますか?

現在、大手ハウスメーカーをはじめ住宅会社・工務店の多くの現場で、木造住宅の重要な部分である構造材に使用されている木なんです。

 

でも、この“ホワイトウッド“という木の真実、知っていますか???

このホワイトウッドが腐りやすい木である事は、木材業者ならよく知っています。

しかし、住宅メーカーを訪れた人には、営業マンは決してこの事実を説明してはくれません。

 

「乾燥され、管理された木材を、自社工場でミリ単位で精密に加工し・・・」という説明だけで、木そのもののデメリットは説明はしてくれません。

 

野ざらし3年で朽ち果てるホワイトウッドという木

木材・住宅情報交流組織LICC(リック)の試験によると、野ざらしで3年間スギ、ヒノキ、ベイツガ、ホワイトウッドを放置していた結果、ホワイトウッド以外の3樹種は朽ち果てず表面に傷がある程度であるのに対して、ホワイトウッドだけは原型をとどめず形が崩れてしまったという実験結果が出ています。

また、「独立行政法人 森林総合研究所」の耐朽ランキングでも、ホワイトウッドは「極小」ランクです。

 

同種の実験で、4年半後にはホワイトウッドは完全に朽ちて崩壊しています。

ちなみに、ヒノキやスギなどは、白太は多少傷んでいるものの、問題無しとの事です。

家の一番重要な構造躯体に、このような腐りやすい木を使っているという“今の家”の事実、知っていましたか???

 

第2のアスベスト問題!?

このような点から見て、

ホワイトウッドは高温多湿な日本の木造住宅の重要な部分である構造材には

絶対に使用してはならない木だと、私たちは考えます。

 

住宅会社の担当者にホワイトウッド使用に対する説明を求めると、「腐りやすいというのは、あくまでも水や湿気が付いた場合です。

当社は完全な防腐処理をしていますから、そのようなことはありません。」などと言います。

でも、一般的に使用されているアリピレスなどの農薬系木材防腐処理・シロアリ駆除剤の効果はたった5年程度です。

 

35年の住宅ローンを組んで、安心なのはたった5年・・・

5年後以降は、どうしろというのでしょうか・・・

 

結露から生じた湿気が壁内にこもり、少しずつ柱などの重要な木を腐らせていく。。。

シロアリなどの害虫被害もどんどん進んでいき、数年後には家が傾く・・・

なんて、最悪なシナリオも、あながち想像の世界の話しではないんです。

 

現在、関西でのあくまで統計的な感覚ですが、新築の木造住宅の80 %90%がホワイトウッドの集成材で建てられていると思われます。

材木屋さんのお話だと、少なくともこの枚方市近郊で国産材を構造材で使用している住宅会社は、森田建設を含めて数社だとのことです。

 

全てが倒壊する訳ではありませんが、「長持ちしない家」である事は間違いないでしょう。

 

我が家の一番重要な構造材にもっと真剣にこだわるべきです。

アスベスト問題のように将来問題が大きくなる前に、“構造材選び”を施主様自身で選ぶ時代が求められます。

 

住宅の寿命はどれくらい?

大手住宅メーカーの営業マンに「住宅の寿命はどれくらいと想定してますか?」と質問してみたところ、「25年です」と明確に回答していただきました。

何のためらいもなく営業トークとして平然と言っている事と、25年という短さに驚きました。

 

電球と同じで、「一定期間で壊れる事で次の需要を作る」という消費原理で家造りをしているのが、こうした大手やパワービルダーの考え方ではないでしょうか。

 

土台にも樹種不明の集成材を使用している一例もあるなど、我が家がこれだと怖過ぎです。。。

一方では100年もつ家造りを提唱して活動している人たちもいます。

 

消費者にとって「いい家」とは、一体どちらでしょう?

 

制震ダンパーや、○○工法も役立たない!????

これまでホワイトウッド集成材で建てる家って大丈夫!?って話しをしてきました。

ここまで聞くと、こんな弱い木材じゃあ地震が来たら不安という方が多くおられる一方、「制震ダンパーを付けるから、地震にも強くて安心でしょう!」という認識の方もおられます。

確かに制震ダンパーなどは非常に優秀ですから、付けないより付けた方が良いと思います。

 

ですが、重要なのは、いくら優秀なアイテムを揃えたって、骨組みとなる木造の骨格部分が害虫被害や結露などが原因で腐って傷んでしまっては、全く意味を成しません。

大切なのは、大事な構造躯体を長く安心して使える材木を選び、その上で、制震ダンパーなどの耐震アイテムを装備すべきなのです。

 

大切なことは「建てた時」ではなく、「20年・30年、その先」我が家は安心して暮らせる家なのか!?ということ。

とりあえず10数年持てばそれでいいという考え方なら、安価なロシア産や北欧産の集成材で建てる家で十分でしょう。

(安かろう悪かろうという建売住宅なら山ほど売り出されているのでオススメします。)

 

しかし、20年、30年、その先まで丈夫で安心して暮らしていける“住み継ぐ家”が欲しいという方には、ぜひ家の「構造材」には、こだわってほしいと思います。

 

日本の昔の家は、構造計算すらせず、筋交いもほとんどなく、現代の建築金物なども使用していませんでした。

しかし、築50年、60年経っても倒壊せずに現存している理由、それは日本の昔の家はみんな国産材のいい木を構造材に使った木造住宅だったからです。

 

家の構造材は、みなさんが思われるよりずっと重要なものです。

ぜひ構造材にこだわった上で、楽しい家づくりを叶えていただきたいものです。