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坪単価とは?注文住宅費用の総額との差はなぜ生まれる?

2019-09-15

注文住宅の坪単価・建築費用とは

これから注文住宅をしようと考える方が気になるのがやはり資金計画。

いったいいくらぐらいで家をたえtられるのだろうかというのは、誰もが気になること思います。

そんなわかりにくい住宅業界の家づくり相場の中で、「坪単価」は一見非常にわかりやすい目安だと思われます。

 

しかし、実際に家づくりの話しを進めていって具体的な見積り提示を受けた際に、建物の坪面積で割って計算すると、当初言っていた坪単価と差が起きるとよく言われます。

当初の坪単価と、建築費の総額との差は、いったいどうして生まれるのか。

 

坪単価のカラクリと仕組みを理解することで、正しい家づくりの資金計画を立てることができます。

あとから「こんなにも金額が上がると思わなかった」と後悔しないように、まずはしっかりと坪単価の基礎を学ぶ必要があります。

では、テーマである注文住宅の「坪単価」について、一つずつ見ていきましょう。

 

漆喰と化粧梁のリビング

坪単価とは、そもそも何なのか?

注文住宅を考えはじめるとよく目にする「坪単価」という言葉。

これは何を意味しているのでしょうか?

 

坪単価とは、「建物の建築費を建物の延床面積で割った、1坪あたりの建築費」と言えます。

たとえば、建物の建築費が3000万円で、建物の延床面積が60坪だとしたら、3000÷60=50万円/坪となります。

つまり、延床面積1坪あたり60万円の建築費という意味になります。

 

坪単価の計算には延床面積で計算しない場合もある?

オープン階段と廊下

さて、ここで問題なのが、上記の計算では建築費を延床面積で割った1坪あたりの金額を坪単価といいました。

 

ところがこの「坪単価」という言葉が厄介なのは、坪単価の計算をする際に「延床面積」で計算するのではなく、「吹抜けやバルコニー、ポーチなどを含めた施工面積」で計算することもあるという点です。

 

ここで一例を比較してみると大変わかりやすいので見てみましょう。

 

ある建物を2つの見積りパターンで坪単価の計算をしてみます。

・見積りパターンA:建築費3000万円÷延床面積50坪=坪単価60万円

・見積りパターンB:建築費3000万円÷施工面積60坪(延床面積50坪+吹抜け3坪+バルコニー4坪+ポーチ3坪)=坪単価50万円

 

このようにある建物一つを見ても、坪単価の出し方が異なると、大きく金額が異なることになるのです。

 

なぜこんなことが起きるのか?

 

それは「坪単価」という言葉に、“正式な定義が無い”からなのです。

だから、ハウスメーカーや工務店によって「坪単価」の計算の仕方が異なり、どの計算方法も「間違いではない」という点が、厄介なのです。

 

木の家のリビング

坪単価に含まれない付帯工事がたくさんある

さて、坪単価と一言で言っても、延床面積を基準に坪単価を出すのか、施工面積を基準に坪単価を出すのかで、坪単価そのものの意味が全く異なることがわかりましたよね。

 

でもこの「坪単価」には、まだまだ隠れた秘密があるんです。

それは「坪単価には、家を完成させるための全ての工事費が含まれていない」ということです。

 

どういうことでしょうか??

 

「坪単価50万円」と広告に書いてあれば、みなさんが当然に頭の中で思うのが、

「30坪の2階建ての家を建てたいから、坪単価50万円なら、50万円/坪×30坪=1500万円で家が建つんだ」と思われるでしょう。

 

しかし、これは“間違い”です、これだけでは住める家にはなりません。

 

一般的に坪単価とは、建物本体の工事費のみの金額という場合が多いのです。

ですので、たとえば「屋外給排水工事」「屋外ガス工事」「産業廃棄物処理費」「建築確認申請費」「足場工事」「仮設トイレや工事電気・工事水道」などなど・・坪単価に含まれない工事は実にたくさんあるのです。

 

さらに複雑なことに、坪単価に含まれる工事と含まれない工事は、ハウスメーカーや工務店各社でそれぞれ異なるということです。

「坪単価」を参考的に見ることは良いですが、坪単価だけで計算しても“家は建たない”ということを知っておく必要があります。

 

木の家のリビング

家は小さいほど、坪単価は高くなる

注文住宅で家を建てるとなると、何もない状態では全く予算の目処が立たないので、建物の参考価格を知る上で、坪単価を参照することは大いに結構です。

 

しかし、この坪単価は何坪の家を建てても同じなのでしょうか?

 

答えはNOです。

 

建物の本体価格を延床面積(または施工面積)で割った坪単価は、小さい家であるほど、高くなるケースが一般的です。

なぜかというと、キッチンやユニットバスなどの住宅設備機器にかかるコストは固定費になるので、大きな家でも、小さな家でもかかるコストは同じだからです。

階段の数量や、玄関ドアの数なども家の大きなに関係なく一定数が必要になります。

小さな家であっても、キッチンやユニットバスなども水廻り、電気ガス水道などの基本的なインフラ設備は大きな家とは変わらないのです。

 

ですので、坪単価として計算しだすと、どうしても小さな家ほど坪単価は高くなり、大きな家ほど坪単価は小さくなるのが一般的です。

 

ですので、広告などでは「延床面積50坪以上の場合」など、都市部ではなかなかありえない建物の延床面積を基準にした坪単価を広告表示するパターンが多く見られます。

実際に家を建てるのは30坪前後の方が多い都市部において、このような紛らわしい広告が多く溢れていることに十分注意しましょう。

 

“広告などに記載の坪単価はいったい何坪の家を建てたときの坪単価なのか”はしっかりと備考欄などにも目を通して確認する必要があるでしょう。

 

標準工事以外の工事は別途で追加費用の恐れあり

坪単価のカラクリがどんどん見えてきたと思いますが、実はさらに隠れた秘密があるんです。

 

それは「標準仕様以外の工事は別途で追加費用が発生する」ということです。

 

たとえば標準仕様になっているシステムキッチンのグレードを上げると追加費用が発生することは誰でもわかると思います。

 

また、フローリングのグレードアップも同じく追加費用が発生することはご理解いただけると思います。

さらに窓サッシが増えた、室内建具を変更したなども追加費用が発生するということは、家づくり初心者の方でもわかりますよね。

 

でも、坪単価を表記している見積書では、下記のような追加費用も計上されることがあります。

 

①出入隅増加工事

②バルコニー工事

③間仕切り工事・・・

 

など、一般の方には馴染みの無い上記のような工事項目が見積書に書かれている場合があります。

(追加の工事項目はハウスメーカーや工務店により各々違います)

 

ちなみに、出入隅増加工事とは、建物の形状を標準仕様では正方形または長方形と決めていた場合に、建物形状をたとえばL型にすれば角部分が増えてきますよね。

これを出隅といって、この出隅や入隅と呼ばれる部分が増えると、追加費用が発生するという仕組みです。

 

②バルコニー工事とは、坪単価の中にはそもそもバルコニーをつくることを想定していないということです。

つまり、バルコニーが欲しい人は追加費用でバルコニーをつくりますよという意味になります。

 

③間仕切り工事とは、部屋と部屋を間仕切る壁の長さの合計をあらかじめ標準工事として決めておいて、それ以上の間仕切り壁の長さになった場合に別途で追加費用がかかるということです。

 

このように坪単価に含まれる標準工事以外の工事は別途費用が発生することを知っておきましょう。

 

注文住宅で間取りも自由だからと、四角のシンプルな形状ではなく複雑な形の建物や、間仕切りの壁をどんどん増やしていくと、知らぬ間に塚工事費がどんどんアップするなんて自体にもなりかねません。

どこまでが標準工事で、どこからが追加費用のいる工事なのかというのは、一覧にして公開しているハウスメーカーや工務店などは皆無です。

 

見積書が上がってきたら、必ず坪単価の欄だけを見ずに、詳細な欄までしっかり目を通しましょう。

わからない項目はほったらかしにせずに、しっかり質問して「どの工事が標準外の工事になるのか」を施主様自信で把握することが大事です。

 

 

キッチンとリビング

坪単価の見積りの場合に重要なのは「詳細な標準仕様書」

注文住宅の坪単価の表記の場合に重要なのが「標準仕様書」です。

 

何故かというと、詳細な見積書があれば、

「2口コンセントが○個まで標準工事に含まれている」

「キッチンのプランボードだけでわからない詳細な仕様がわかる」

など、見積書が坪単価というラフな見積り内容でも、標準仕様書に詳細が記載されていれば多少の心配事も解消されるでしょう。

 

しかし、見積書は坪単価で明細がわからず、標準仕様書も数量や単価・定価など詳細が記載されていないとなると、一体何が金額に含まれていて、何が含まれないのかがわからないまま契約することになります。

 

これでは不安ですよね。

 

坪単価での見積書が出てきた場合は、必ず標準仕様書に詳細が記載されているかは確認する必要があります。

大事なのは、見積書か標準仕様書のどちらかには必ず金額に含まれる「詳細が記載されていること」です。

 

無垢チークの床材

坪単価を正しく知ることが大切

ここまで坪単価について見てきました。

 

坪単価の計算をする際に「延床面積」で計算するのではなく、「吹抜けやバルコニー、ポーチなどを含めた施工面積」で計算することもあれば、坪単価には家を完成させるための全ての工事費が含まれていないことも学びました。

 

また、標準仕様以外の工事は別途で追加費用が発生するなど、多くの「坪単価のカラクリ」を見てきました。

ここでは、あえて「坪単価の見積書は信用できない!」とは言いません。

 

ただし、大切なことはここで書かせていただいたようなことが坪単価表記の見積書には隠れているという事実を把握し理解することです。

その上で、正しい見積書を見比べて、どのハウスメーカーや工務店に家づくりを依頼すべきなのかを選ぶことが重要です。

 

無垢スギフローロングのLDK

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