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住宅を「シロアリ被害」と「木部腐朽」から防ぐ

2019-12-03
注文住宅イメージ

木造住宅の二大劣化原因といえる「シロアリ被害」と「木部腐朽」。

この「シロアリ被害」と「木部腐朽」を防ぐことで、長持ち安心のマイホームの住宅を建てることを目指す。

まずはその「シロアリ被害」と「木部腐朽」の仕組みと対策を知ることが重要。

 

シロアリは家を食い尽くす

阪神大震災で多くの家が倒壊した理由

神戸を中心に関西で甚大な被害の出た阪神淡路大震災。

この大地震では、多くの木造住宅が倒壊し、その下敷きとなった方が被害に合われました。

この時に木造住宅が弱いのではという話しが一持話題になっていました。

本当に「木造住宅だったから倒壊したのでしょうか??」

 

震災後に専門家による多くの調査がおこなわれました。

倒壊した木造住宅の特徴としては「違法建築な家」や「無計画な増改築をした家」など、構造に無理をさせるような家の被害が見られました。

それと同じように被害が大きかった家の特徴として、「シロアリ被害を受けていた家」と「木部が腐っていた家」だったのです。

違法な家や無計画な増改築した家ならともかく、法律を守って建てた家であっても、シロアリ被害や木部が腐ることで、木構造に十分な強度が保たれておらず結果的に甚大な被害が出たのは注目すべき点です。

いくら法律を守って建てたとしても、シロアリや腐朽菌による被害が出ると、土台や柱は朽ち果てていき、強度を持たないものになってしまう、そこへ住む人の命をも脅かすことになるのです。

まして、その被害が普段では目にすることのできない個所に被害が出ることが多く、簡単にリフォームなどで対応できないのが厄介な点です。

 

普通の蟻とシロアリでは何が違うのか?

シロアリという名前からして、一般的に目にする蟻と一体どう違うのか?

形も似ていて生活実態も似ているが、シロアリは一般的にはゴキブリに近いと言われている。

シロアリの大好物は言わずと知れた木材など。

朽木はもちろん、住宅の木も食べてしまうのが厄介な存在なんです。

シロアリと言っても何種類もありますが、日本でのシロアリで代表格はイエシロアリとヤマトシロアリ。

イエシロアリは柱を縦に食べながら天井までどんどん食い尽くしていく。

ヤマトシロアリは地面付近に住み、土台など低い位置の木を食べるとされてきたが、最近では天井近くまで被害が及んでいるとも言われている。

シロアリ被害は全国どこでも気をつけなければいけないし、建築基準法でも地盤面から1mの高さまでの土台や柱などの軸組みには防腐防蟻処理が義務付けられているので、これから家を建てる方には、この点を十分に確認してもらうことが重要です。

 

シロアリ被害を防ぐ方法

シロアリ被害を防ぐには、いくつかの方法があります。

まず基本的に重要なことは土台や柱などに「シロアリ被害に強い樹種」を選ぶことです。

一般的にヒノキやヒバはシロアリに強いといわれていて、土台や柱にも向いている言われています。

一方、ベイツガやベイマツは明らかにシロアリ被害に弱いので、こうした樹種を使う工務店には要注意が必要。

ただ安価というだけで樹種を選んでいる可能性がある。

また、薬剤を木材に注入しているからベイツガやベイマツでも大丈夫かといえば、そうではない。

 

そしてシロアリ被害の対策としてさらに「床下を常に乾燥させておく」ことも重要。

いくらヒノキやヒバを土台や柱に使っていても、床下が濡れた状態では、十分なシロアリ対策は見込めない。

シロアリ被害の報告が多い土地などでは、さらに基礎高さを上げるなどの対策も検討したいところ。

 

塗布する薬剤を天然成分のものにすると良いや、土台には蟻害に強い「心材」や「芯持ち材」などを使うとさらに良い等、いろいろあるがまずは基本の対策である、樹種選びと、床下の通気をしっかりとおこなう建物を建てることが重要でしょう。

 

腐朽菌対策も重要

シロアリ被害以外に土台や柱などの強度を落とす原因に木が腐るという原因がある。

木が腐るとは、どういうことか。

それは木に腐朽菌という菌が生息することで、木が腐るという現象が起きる。

ただし、酸素、水分、温度、栄養分のどれか一つでも欠ければ、腐朽菌は生きていけない。

しかし、温度や酸素の量をコントロールするというのは現実的ではない。

なので、木が腐ることを避けるためにコントロールすべきは、やはり湿度となってくる。

木に含まれる水分、つまり含水率が29%以下なら木は腐らないので、まずは土台の樹種選びが重要になる。

よく「土台にはヒノキを使っている」という建売住宅があるが、多くの場合そのヒノキというのは「乾燥させていない水分を多く含んだ“ヒノキ”」と言われている。

つまり、「ヒノキの土台=腐朽菌に強い」という訳ではなく、あくまで“乾燥させたヒノキ、つまり乾燥材ヒノキ”を土台や柱に使うことではじめて「腐りに強い家」を建てることができるのです。

 

長持ちする家づくりは「木選び」から

このようにシロアリ被害にしろ、木の腐りにしろ、さまざまな対策方法があります。

しかし、その基本となる対策はやはり「国産の乾燥材ヒノキを使用すること」が全ての基本になるのではないでしょうか?

家づくりといえばどうしても間取りやキッチンなどの設備を思い起こします。

ただ、家が完成してからでは見えなくなる構造材こそ長持ちして安心して暮らせる家づくりのためにも一番にこだわりたいところだと言えます。

これから注文住宅で家を建てていく方には、ぜひ「シロアリ被害」と「木部腐朽」を防ぐ構造材にこだわった、“本当にいい木の家づくり”をしてくれる工務店探しを重要視していただきたいと思います。